双子の一卵性と二卵性、どちらが多いのか?
双子にも一卵性双生児と二卵性双生児がありますが、一体どちらの方が多いのでしょうか。日本国内における双子の出生率は年々増加傾向にあるようですが、実際のところどうなのか気になりますよね。
近年、不妊治療を行う方も以前より増えてきていて、それにともなって二卵性双生児も増えてきている面もあるようですが、今回は自然妊娠の場合のデータを元に色々と見ていきたいと思います。
一卵性と二卵性、どちらの方が多いのでしょうか。
双子は一卵性と二卵性、どちらが多い?
冒頭でも紹介したように双子には一卵性と二卵性の2つのパターンがあります。一卵性双子は同じ卵から生まれた双子であり、二卵性双子は別々の卵から生まれた双子になります。
一卵性の双子は卵子が受精後、最初の細胞分裂が起こる前に分裂し、2つの胚ができます。このため、一卵性は遺伝的にほぼ100%同じDNAを持ちます。
ただ、最近の医学研究で一卵性の遺伝情報は必ずしも同一ではないという研究論文もある様です。詳しくは以下の記事で紹介されていますので興味のある方はぜひご覧いただければと思います。
一方、二卵性の双子は異なる卵子がそれぞれ受精されることにより生まれます。そのため二卵性は遺伝的に似ているところもあれば、そうでない場合もあります。
では、どちらの双子の方が多いのでしょうか?
実は、一卵性の方が出現率が高いのです。一卵性の双子の出現率は二卵性の双子の約2倍とされています。
これは、一卵性が卵子の分裂によって生まれるため、二卵性よりも出現しやすいという理由があります。また、一卵性の出現率は年々増加傾向にあるとも言われています。
ただし、双子の出現率は人種や地域によっても異なるため、一概には言えませんが、数々のデータを参照してみると日本国内では一卵性の双子の方が多いと言えると思います。
一卵性と二卵性の双子の特徴
では、一卵性と二卵性の双子の特徴についてもう少し見ていくことにしましょう。
一卵性の双子の特徴
一卵性の双子は、同じ卵から分かれた双子です。そのため、DNAがほぼ100%一致しています。外見や性格が非常に似ていることが特徴です。また、一卵性の双子は同じ性別であることがほとんどになります。
二卵性の双子の特徴
二卵性の双子は、別々の卵から受精した双子になるため、DNAが異なるので外見や性格が異なることが大きな特徴です。性別も同じである場合もあれば、異なる場合もあります。
双子が生まれる確率
双子が生まれる確率は、一卵性と二卵性を合わせると約100分の1になります。また、一卵性と二卵性で異なります。
一卵性の双子を授かる確率はおよそ自然妊娠で約0.4%と言われているので、1000件の内4件程度であると言われています。ちなみに一卵性の場合は人種による差はないと言われています。
そして二卵性の双子の場合は人種による差がとても大きいとされています。ちなみに日本では約0.3%くらいですので1000件の内3件程度と言われています。さらに二卵性の場合、性別も異なる可能性も持ち合わせており、双子の性別が違う確率は約2割とも言われています。
双子が生まれる確率は、個人や家族の遺伝的な要素によっても影響を受けるため、一概には言えませんが統計的には上記のような特徴があるようですね。
参照元:ユニ・チャーム
双子妊娠のリスクと対策
双子妊娠は、一般的な妊娠よりもリスクが高いと言われております。一般的なリスクとしては、
- 早産
- 低出生体重
- 胎児の成長遅延
- 妊娠糖尿病
- 妊娠高血圧症候群
- HELLP症候群
- 胎児形態異常
- 血栓症
などの合併症が単胎妊娠に比べておこりやすいことが知られております。
※参照元:国立成育医療研究センター
重要な膜性診断(まくせいしんだん)について
膜性診断は卵生診断よりも重要とされていて、多胎妊娠をした際は特に意識したい診断になります。
膜性診断とは羊膜という”赤ちゃんを包む膜”と”胎盤”によって分類する方法になります。この膜性診断によって、赤ちゃんたちに起こりうる様々なリスクを評価することができるのです。
膜性診断には主に、
- 2絨毛膜2羊膜双胎(DD双胎)
- 1絨毛膜2羊膜双胎(MD双胎)
- 1絨毛膜1羊膜双胎(MM双胎)
の3つの種類があって、それぞれリスク管理も変わってきます。
2絨毛膜2羊膜双胎(DD双胎)
二絨毛膜二羊膜双胎(にじゅうもうまくにようまくそうたい)とは、二人の赤ちゃんがそれぞれに胎盤、絨毛膜、羊膜を持っていて、お腹の中で完全に別々の部屋にいる状態になります。
双胎妊娠の中では最もリスクが低いと言われていますが、お母さんのお腹が大きいので切迫早産には気をつける必要があります。
1絨毛膜2羊膜双胎(MD双胎)
一絨毛膜二羊膜双胎(いちじゅうもうまくにようまくそうたい)とは、二人の赤ちゃんで一つの胎盤と絨毛膜を共有していて、二人の赤ちゃんの間は羊膜で仕切られた別々の部屋にいる状態になります。DD双胎に比べるとリスクが高く、双胎の中でも20~30%程度で発生します。
出典元:加藤クリニック
1絨毛膜1羊膜双胎(MM双胎)
一絨毛膜一羊膜双胎(いちじゅうもうまくいちようまくそうたい)とは、二人の赤ちゃんが一つの胎盤、絨毛膜、羊膜を共有し、同じ部屋に赤ちゃんがいる状態になります。双胎の中でも1%程度で発生するかなり稀なタイプ。
双胎妊娠の中では最もリスクが高く二人のへその緒が絡まってしまうこともあるので、管理入院を勧められることも多いです。
いずれにせよ双子妊娠のリスク対策としては、まずは定期的な妊娠検診により胎児の成長や母体の健康状態を把握すること、栄養の摂取や休養が大切です。十分な栄養を摂り、適度な休息をとることで、胎児の発育を促すことができます。
妊娠・出産時の対策としては、単胎妊娠同様に専門の医師や助産師の指導を受けることが大切です。ただ、双子妊娠では、通常の出産よりもリスクが高まるため、専門家のアドバイスを十分に受けながら、安全な出産を行うことが必要です。
定期的な検診や専門家の指導を受けながら、安全な妊娠・出産を目指しましょう。
まとめ
双子には一卵性と二卵性の2つのタイプがありますが、日本国内では一卵性の双子が多い傾向にあります。
一卵性は同じ卵から生まれるため、遺伝子が同じであり、外見や性格も似ていることが多いです。一方、二卵性の双子は別々の卵から生まれるため、兄弟姉妹と同じような関係があると言えるかもしれませんね。
個々の家族の遺伝子の特徴や環境によっても異なってきますが、統計上は一卵性双子の方が多いようです。ぜひ参考にされてみてください。
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